▲いつのまにか店内を歩きながらのインタビューに。
ジュエリー製作の基点になるプレッシャー
◆さいとう
お仕事をしていて、楽しくない・つらいって感じることはありますか?
◆菊地
つらいことはあると思いますけど…楽しくないことはあんまり思いつかないです。
納期が厳しいとか?でもそれも(モチベーションにつながるので)別に楽しくないってことはないです。
ただ、やっぱり上手くいかないところって出てくるので、そういうので感情的に楽しくないことはあります。
◆おそめ
そういうとき、菊地さんはどういう感じになるんですか?
◆菊地
そうですね…。自分の力不足で仕事が若干うまくいかなくなっちゃったりとか、作業行程を考えるときにちょっとミスしたりすると、やっぱり効率が悪くなるので。そうなっちゃうと、負い目を感じますね。
◆おそめ
そうですよね。だって原型づくりって、製作の基点になるじゃないですか。
◆さいとう
一番最初ですもんね。プレッシャーはありますよね。
◆おそめ
そういう時に、どうしたらポジティブな気持ちになるんですか?
◆菊地
寝れば大体(笑)
◆おそめ
参考になります(笑)
◆菊地
でも、私はまだまだ未熟者なので、先輩方にいろいろ指導していただくこともあるんです。
やっぱりジュエリーって、100個とか200個とか作ったときに、それぞれに個体差があるっていうのが一番駄目だと思うんですよね。
◆おそめ
そうですね。手作業の部分はあるとはいえ。
◆菊地
そうですね。一個だけ作るんじゃなくて、何百個も安定して良いものを作りますよっていう。そこを忘れないように。
◆さいとう
菊地さんが所属する原型チームだけではなくて、他のチームとの連携も大事ですよね。
◆菊地
そうですね。
うちの職人はみんな、本当に良いものを作ろうと思っている人たちしかいないので。
でも、みんな同じ方向を向いていると思っていたら、その気持ちの方向性が違ったりして、行き違いみたいなことは起きたりします。
あとは、自分の伝え方が悪かったりとか、自分の考えが甘いというか楽観的なところがあったりすると、
それはちょっと「ものづくりとしてどうなのか」とか言われることもありますね。
◆おそめ
結構厳しいこと言われるんですね。
◆菊地
でもそれは真摯に受け止めて、ただ性格的なところなので、やっぱ楽観的になっちゃうんですけど。
◆おそめ
我々オレフィーチェとしては、菊地さんのそういうところに救われている部分もあります。
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◆さいとう
菊地さんが「何でも自由に作っていいよ」って言われたらどんなの作りたいですか?ジュエリーじゃなくても。
◆菊地
うーん。すごいでっかいダイヤで、エンゲージリングですかね。
◆おそめ
でっかいダイヤでエンゲージリング。作ってほしいです!どのくらいですか?5カラットくらい?
◆菊地
そのぐらいのクッションカットとか。
ファンシーカットのやつ作ってみたいですね。
◆さいとう
素敵!!
◆おそめ
エンゲージリングってことは…菊地さんは、自分が結婚するときは自分で作ります?
◆菊地
そうですね。作りたいですね。
◆おそめ
かっこいい!
▲いつか、菊地さんの作るファンシーカットのエンゲージリングが並ぶ日が来るかも…?
◆さいとう
でも意外でした。エンゲージリングだと思わなかったです。
自分で着けるものかと思いました!
◆菊地
いや、多分職人には多いと思うんですけど、誰かのためじゃないと「自分が着けるしこれくらい(の仕上がり)でいいか」ってなりがちなんですよ。
私は特に、こういう性格だからかもしれませんが(笑)
◆おそめ
誰かのためだからここまで厳しくできるっていうのもあるんですね。
◆菊地
だから他人のエンゲージリングとかでもいいんですけど、自分のためだとなかなか。やる気がちょっと(笑)
◆おそめ
こだわり抜くのは誰かのためにってことですね。
◆さいとう
職人魂ですね!
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