ジュエリーの製作工程 1:キャスト

今回は、工房のお仕事のうち
一番最初の工程、
「キャスト」=鋳造
のご紹介をします

 

ジュエリーの製作工程は
ほとんどが手作業ですが
このキャスト工程のみ、機械で作ります

 

ジュエリーを作る時
*キレイに作る

 

これはまず第一の条件で
検品も「キレイ」を基準に検品しますが

 

意外にも、埒外におかれてしまうのが
*同じに作る

 

ということです

 

クルマなどは機械で作りますので
各パーツはほとんど個体差はありません
できあがったクルマも
ほとんど同じ大きさで、
5mmと違いはないでしょう

 

ですがジュエリーの場合
手作業による部分が多いので
職人の技術差もありますし
このキャストの出来の違いもあり

 

個体差が大きいことが多いのです

 

お客様へお届けするにあたって

 

同じデザインのものは
なるべく同じにしたい

 

それを実現するには
まずキャスト工程を、いかに精密に作るか
それが課題になります

 

それができないと
後工程で、個体差を助長してしまいます

 

それがキャストの重要さにもつながりますが

 

わりと外注で済ませてしまう工房が多い
そういう工程です

 

では前置きはこのくらいにして・・・

 

まず、

この写真の「ツリー」の枝を見てください

 

ひとつひとつが、指輪とかペンダントなんです

 

上が、「エタニティー」リング
真ん中へんが「エフィー」リング
下が「ポルテ」ペンダント

 

素材はまだ「ロウ」
軟らかいプラスチックです
(私たちはワックスと呼びます)

 

この形をどうやって作るかというと

 

このゴムの型は上下に分かれていて

 


下の方にワックスを流し込む「道」が
あるのがわかりますか?

 

このメス型を

 

この機械にセットして
ワックスを先ほどのゴム型に流し込みます

 

これをいくつも連ねると
一番最初にお見せした「ツリー」ができるんです

 

これを18金に置き換えます

 

どうするかというと

 

手前に穴の空いてるツツが見えますね
このツツをゴムで覆って
先ほどの「ツリー」を入れ、
この写真の石膏を水に溶いて満たします

 

一晩寝かしてから

 

この機械、「電気炉」と言いますが
大きいオーブンです

 

これでこんがり焼きます

 

そうすると、
「ツリー」はロウでできていますから
溶けて流れて
焼けて蒸発します

 

そしてツツの中には空洞が
先ほどの指輪などの形の空洞ができますね

 

ここに

 

この鋳造機で18金を流し込みます

 

そうすると、18金がこの型の形になります

 

カンタンにできそうですよね

 

でも、100個でも1000個でも
いつ、いくつ作っても
まったく同じに作るためには
いろんなノウハウが必要です

 

たとえば
ワックスは軟らかいので
ゴム型から抜く際に変形しがちです

 

だから型紙を用意して
同じ形になるように修正します

 

ゴム型から抜くとき
ワックスには「バリ」が残ります
このままキャストすると
仕上げがバラツキがちなので
ワックスの段階でていねいに仕上げをします

 

ひとつひとつの工程で
神経を使った、細かい作業が
高品質のためには必要なんです

 

機械を使うからって
オートマチックにつくると
雑な製品になってしまいます

 

ジュエリーの製作では
どの工程も、技術と
たずさわる人の「気持ち」が
とっても大切です

 

あるいみ、「気持ち」は
技術を凌駕します

 

反対に、
「いいものを作ろう」という気持ちがなければ
いくら技術がある職人でも意味をなしません

 

そしてその「気持ち」は
工房が組織で熟成していきます

 

だから、品質は、
個人の技術もさることながら
工房全体で作っていくものなのです

 

いい会社じゃなければ
いいものは作れません

 

だからわたしは、
残念ながらジュエリーは作れないけれど
いい会社を作ろう、
そう思っています

 

ここまでが、
キャスト工程で
このあと、手作業での

 

↓仕上げ
↓石留め
↓最終仕上げ
↓検品

 

に進みます

 

またの機会にご案内しますね

 

ありがとうございました

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