原石をもっとも美しく輝かせることが究極の目標
まるでダイヤのように
美しく輝くドイツカットルース。
この美しさの秘密である「カット」について、
工房の職人にその秘密を伺いました。
全ては、ゆるぎない知識と経験
ー様々なカットの種類がありますが、どのようにカットを決めているのですか?
『私たちの究極の目標は、一つ一つの大変貴重な原石を少しの無駄もないように、最も美しく輝くように磨き上げることです。
そのため、粗く削られた原石をどのように原石をカットすれば最も美しいカラーに仕上がるのか。この原石にとって、どのような形状が一番魅力的で、どうカットすれば素晴らしいプロポーションになるのか?など、様々な可能性やパターンを検討しながら、形を決めていくのです。
この原石をどのように形成するか決める作業は様々な工程の中で一番重要なポイントで、豊富な知識のほか、個々の感性や才能も必要になりますので、このカットを決める者は選ばれた熟練の職人のみが担当できます。今は現社長が担当しています。』
ーカットを決める時というのは、結構時間がかかるのでしょうか。
『いえ、インクルージョン(内包物)がない場合はどのカットが一番適しているのかがすぐにわかりますので、早く決まります。
ですが、その原石にインクルージョンがある場合は、例えば最初オーバル(楕円)の形がいいと思って作業を進めていても、輝きや美しさを確認しながら作業を進めるので、その時により美しく魅せることができるカットがあるなら、カットの途中であっても変更しなくてはいけません。
当初の考えではなく、この原石を最も美しく輝かせることができるカットに変更するため、もともと考えていた形と、出来上がったものが全然違うものに仕上がる場合もあります。』
ーカットをする中で、一番重視していることはなんですか?
『カットした時に『光の反射率』が高くなる事をいつも重視しています。
宝石加工のバイブルがあるんですが、この本には様々な石がどれくらいの硬さなのか、反射率がどれくらいなのかなど、そういった必要な情報が全部書いてあるんです。
図鑑みたいな感じですね。
そこに書いてある情報をもとに計算し、私たちが導き出した数値、いわゆるレシピみたいなものに沿ってカットを施していきます。』
~数値を元に機械でカットしていく様子~
『長年使っている伝統的なカット(トラディショナルカット)のほか、まったく新しいカット(モダンカット)というカットもあり、どんどん新しいカットが生まれていきます。
また、カットの種類や組み合わせはたくさんありますが、それぞれ反射率が異なっています。
私たちはそれを計算し、どのカット・組み合わせが一番この石にとって美しいのかを考え、人の手でカット・研磨していくのです。
もちろん、反射が重要ということは、地金に留めてしまうと見えなくなる裏側のカットが大切ですので、入ってきた光がしっかり反射して表面から出ていくように、寸分のずれも許さず、完璧な形にカットしていくことがとても大切です。』
~右:今回使用する裏側まで緻密にカットされた石~
『私たちの工房は、他の工房と比べて品質の基準が全く異なり、とても厳しくチェックしています。
そのため、仕上がってきたルースをチェックする際に、少しでも基準を満たしていなかった場合は、そのルースは使いません。
カットと研磨は素晴らしい知識、能力と長年の経験を持った職人の手にかかっているのです。』
▼熟練の職人によるカットの様子(動画)
命を得て輝く、ドイツからの贈り物。
宝石の街へ旅して出会ったのは、
ドイツの職人たちの、宝石への熱意と愛情でした。
「より美しく」
「空に瞬く星のような輝きに」
そうして輝きの命を吹き込まれた宝石の、芸術級の美しさを
ぜひ、ジュエリーでご堪能ください。