修理

わたしが使っている机は、実は特注品です

 

ぜいたくな机を使っているわけではなくて
Oreficeを始める前
ふつうに小売店を始めたときに
ショーケースや接客テーブルにあわせて作った
事務用の机なんです

 

使わなくなったので
わたしが使わせてもらっています

 

バカな話なんですが
小売店を始めるとき、
な〜んにも考えてなくって
ノウハウも人脈もなんにもないのに
ただお店を開いて
ジュエリーを売るつもりでした

 

いいジュエリーを

 

いいデザインで
ダイヤの品質も良く
安い値段なら
どこでも売れるって信じてました

 

小売をぜんぜん知らないんですね

 

あったりまえなんですが
まぁ〜ったく売れなくって
1年で方針転換

 

それがOreficeのスタートでした

 

 

この机やショーケース、
こういうバカが特注しただけに
材料もこっていて
けっこう高いんです

 

ショーケースは
今もリアルショップで使ってますが
当時、LED照明は出始めだったんです

 

わたしはすぐそういうのに飛びつきますが
新しい技術の出始めは修理もでやすい

 

10年使えるとのことでしたが
LED球は保つのかもしれませんが
5年目くらいに機械部分がのきなみ壊れて
修理する必要がありました

 

目黒にあったこの会社に電話すると
「東京は撤退して大阪だけ」
と、なぜか別会社の人が
電話に出て教えてくれました

 

で、大阪の会社に電話すると

 

「ほとんど業務をしていないので
修理は受けられない」

 

「でも、こうして電話は受けてるじゃない?」

 

「・・・・・」

 

「困ってるからなんとかしてほしい」

 

「・・・・・」

 

「製造責任てあるのでは?」

 

「・・・・・」

 

でも「できません」のひとこと

 

 

この方は口ぶりから
おそらく経営者だと思いますが

 

「もう業務をしていないから」
修理を受けられない、といいます

 

でも、電話を受けるくらいなんですから
なにもタダでやってくれって
言ってるんじゃないんですから
何とかできるようにも思うんですが・・

 

 

気持ちはわかります
修理って
ちゃんとするにはコストがかかります

 

当社の工房でも
修理の人材は量産とは別に確保します
それもベテランじゃなければ
ちゃんと直せません

 

だから修理は人件費がよけいにかかるし
修理では経費はいただきますが
利益は取れないので
まったくの赤字部門

 

修理を受けたくないのはよくわかります

 

 

でも修理は「お荷物」じゃありません

 

「戦略部門」なんです

 

 

お客様からの信頼を得るために
戦略的に強化すべき部門です

 

お客様が困ってるなら
解決すれば信頼してもらえる
信頼してくれれば
次も注文してもらえる

 

それに

 

修理は構造の不備を教えてくれますし
どういう使い方をしたのか、を教えてくれます

 

いろいろ学ぶべきことがあることを
教えてくれるんです

 

だから戦略的に強化すべきなんです

 

 

この机を作った会社は
もう、戦略を考える必要がなくなったんですね

 

 

 

修理とかアフターケアって
その会社の姿勢をあらわします

 

 

こんなこともありました

 

父が35年前、自社ビルを建てたときのこと
1年後くらいに大改修が必要になったそうです

 

水道経路に問題があり
2フロアーが水浸しになったそうです

 

設計のミスなのか
施工の問題なのか

 

建てたのは大手ゼネコンだったんですが
「1年後は契約外」
とのことでな〜んにもしてくれなかったし
次は電話さえ受けてもらえなくなりました

 

設計会社も知らんぷり

 

けっきょく全額自費で
ほかの施工会社に頼んだそうです

 

 

わたしも確認しようとしたのですが
ふしぎなことに
施工時の設計図面には水道経路などの
上水関連の図面だけがスポッと抜けてるんです

 

どうにも確認のしようがありませんでした

 

 

普通の会社は
ビルをいくつもつくりません
ひとつだけです

 

だからリピーターにならないので
設計、建設会社にとって
アフターケアをしても無意味

 

その営業的判断はよく理解できます

 

その後このゼネコンは
公共事業をめぐる刑事事件を起こしました
今も株価は業界最低レベルのままです

 

 

わたくしもおバカさんではありますが
こういうことから学びました

 

Oreficeのお客様の多くはリピーター様です
ですから
お代さえいただけば、あとは知らないよ
では、リピートしていただけません

 

ジュエリーでは

 

サイズ直しが必要になったり
クリーニングはもちろん
チェーン切れなどのトラブルは
ありがちです

 

また、長年ご愛用いただけば
指輪は変形することもあります
その結果
ダイヤが動いてしまったり
最悪、外れることもあります

 

 

Oreficeでも対策はとっています

 

 

そういう長年の使用をかんがえて、
変形をしないように、
変形しても石が外れないように、
作ってはいますが
お客様の使用状況はさまざまですから
変形しないってことはありません

 

ですから、
ベテラン職人の修理要員は欠かせません

 

また、作り直したほうが早い、
そういうひどい状況のばあいもありますので

 

原型やデータはしっかり残しておきます

 

ジュエリーは30年使うこともありますし
作り手としては
なるべく長く使って欲しいですよね

 

長く使うことで
ほんとうの価値って見えてくると思います

 

ジュエリーって
そういうものだと思います

 

 

わたくしの机を見るたび、
アフターフォローの大切さを
思い返します

 

ありがとうございました

 

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