”作る”

ジュエリー・ビジネスの業態は
「メーカー」と「卸」、「小売店」に
大きく分けることができます

メーカーは、デザインして作り
卸はメーカーから仕入れて
小売店さんは消費者に販売します

むかしからのジュエリーの流通ですね

Oreficeのおおもとの会社で
グループ企業のメーカーも
この流通でビジネスをしています

でも、「メーカー」といっても
ふつうは自分の会社では作りません

外注するんです

そのへんの事情は以前にもご説明しました

「下請け」
http://ameblo.jp/orefice-blog/entry-12092478225.html

「自社工房の矛盾」
http://ameblo.jp/orefice-blog/entry-11569860517.html

Oreficeの工房は、職人中心の
完全な製作会社です

ですが、いわゆる「メーカー」が顧客ではなく

「高品質かつ大量生産」を必要とする企業様の
製造受託を請け負います

ふつうのジュエリーの流通からは
ちょっとはずれています

いま日本は、すごい人手不足ですよね

正社員だけじゃなくって
パート・アルバイトも不足

大手町でアルバイト中の娘も
大学生なのに1000円!の時給!!

友人の社長さんも
ホテル業とか
建設業とか、介護とか、

「早く外国人労働者を受け入れて欲しい」

って真剣な目で言ってます

ジュエリー系も
人手不足

とくに問題なのは
熟練職人とか
経験値の高いデザイナー
手作り原型師など、

スキルの高い職種

始めて2、3年の人材は
いくらでもいるし、
希望者も少なくないのですが

「熟練」となると稀少
それも極端に

これがどういうことになるか、というと

工房には
「1点ものを作ってください」
という注文は多いのですが

既存の取引先以外は
せっかくですが、お断ります

「オリジナルジュエリーを作りたいので
発注させてください」

たいへんありがたいのですが
まとまった数をご発注いただけない場合は
おことわりせざるをえません

「ネットで販売しています
受注発注で1本づつ発注をさせてください」

これも断ります
メーカーにとっては
1本も10本もおなじ

Oreficeだけはとくべつです

「デザインからお願いします」

これも、既存のお客様への対応で
ていっぱい
新規は受けられません

ほんとうは、1点ものは勉強になる
原型師の育成になります

デザインを引き受ければ
お客様を知ることになり
デザイナーの育成になります

でも、やりたくてもできません

1点ものをやれば
1ヶ月にできる数なんて
多くて10
ヘタすると4つ

じゃ、その職人の在籍コストを
平均値を6として、割れば
最低でも10万円を工賃にいただかないとムリ

でもお客様は、
金とダイヤのコストはご理解いただけても
工賃は、育成費はご考慮いただけません

手が限られるので
大量に発注していただける顧客様以外は
引き受けられないんです

いいことじゃありません

勉強は、未知の分野から
新しい顧客は、チャレンジから

収益性重視だけでは
新しいことにチャレンジできなくなります

でも勉強だけじゃ
会社がつぶれてしまいます

ジュエリー業界は、近い将来
(というか、もうすでに)
職人不足
熟練者不足、におちいります

そのことを
作ってる会社以外、意識してない

作ってない人は
「かんたんにできる」
とおもっているフシがあります

とくにデザインしている人や
企画してる人
営業で売っている人は

「つくるより、売る方がむずかしい」

たしかにそうなんですが
今後は、つくること、を重視しないと

「いいもの」は
できなくなります

熟練を要さない
半・しろうと品質なら
かんたんにできます

流行をマネただけのデザインで
CADだけでトゲトゲしくつくり
仕上げも、ダイヤも、
品質にこだわらない

そういう熟練を要しないなら、かんたん

でも、Orefice製品みたいな
熟練者が作るジュエリーは
プロの目に耐えられるジュエリーは

かんたんにはできなくなるでしょう

わたしはそれがおそろしい

人材の育成と流出防止が
今後の大切な仕事になると思います

せんじつ、とある「メーカー」の社長様に

「マイクロができるなら発注してあげる」
「原型代って取るの?」
「工賃いくら?」

と、受けて当たり前みたいに言われました

つくるってことを
軽く見てるのが見て取れました

ご注文はありがたいのですが
こういう上から目線の会社は
うちの社員を大切にしません

へんな会社とつきあうと
社員をダメにされてしまいます

売ってナンボ、
早く作って、品質はあとまわし
ごまかしても原価重視

そういう刷り込みを
されてしまうおそれがあります

わたしは、内心は
アタマにきてたんです

そういう考えだと
こんごは製品供給に困るよって
いいたかった

でも、小心者ですから
「すみません、いまちょっと忙しいんです」
って
口をとがらせ気味に
言っただけでした

ウチにとって
制作会社にとって

人材こそ財産なんです
熟練者が財産なんです

製作は、売れればいい
結果さえ出ればいい、じゃない

結果に至る過程が大切なんです

ありがとうございました

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